Cell Cycle Stages | Research Immunohistochemistry

真核生物の細胞の成長、複製、分裂は、細胞周期と呼ばれる高度に制御された一連の決まった流れに従って行われます。獲得免疫では、特定のTリンパ球とBリンパ球が、外来の抗原刺激に応答してクローンの複製（分裂、増殖、分化）を起こします。フローサイトメトリー、免疫蛍光法、または免疫組織化学を使用して、細胞周期の状態を簡単に判断できます。

細胞周期と細胞増殖の概要

研究者が免疫、炎症、造血、新生物、その他の生物学的反応に関与する基本的な細胞メカニズムをよりよく理解できるように、BD Biosciencesは、増殖反応を測定するための抗体、キット、システムなどのさまざまなツールを提供しています。

フローサイトメトリー、免疫蛍光法、または免疫組織化学を使用して、研究者は増殖中の集団内の個々の細胞の細胞周期状態または組織局在を迅速かつ正確に決定できます。これらのツールは次のとおりです。

細胞のDNA含有量を分析するための各種試薬類およびBDCycletest™Plus試薬キット
ヨウ化プロピジウム（propidium iodide: PI）、7-アミノアクチノマイシンD（7-aminoactinomycin D : 7-AAD）、4 '、6-ジアミジノ-2-フェニルインドール（4′,6-diamidino-2-phenylindole: DAPI）などのDNA染色試薬
サイクリン、網膜芽細胞腫、リン酸化ヒストンH3に対する抗体

獲得免疫では、特定のTリンパ球とBリンパ球が、外来の抗原刺激に応答してクローンの複製（分裂、増殖、分化）を起こします。真核生物の細胞の成長、複製、分裂は、細胞周期と呼ばれる高度に制御された一連の流れに沿って行われます。

細胞周期

細胞周期には2つの主要な期間があります。有糸分裂事象間の間期、そして、母細胞が2つの同一の遺伝子をもつ娘細胞に分裂する分裂期です。間期には3つの異なる連続的な段階があります。G1と呼ばれる最初の段階では、細胞は自身の環境を「モニター」し、必要なシグナルを受け取ると、細胞は成長を誘発させるためにRNAやタンパクを合成します。条件が整うと、細胞は細胞周期のS期に入り、DNA合成に「コミット」し、染色体DNAを複製します。最後にG2期で、細胞は成長を続け、有糸分裂に備えます。

細胞のDNA含有量の分析

BD Biosciencesは、細胞周期を研究するためのさまざまな試薬を提供しています。試薬には、ヨウ化プロピジウム（PI）や7-アミノアクチノマイシンD（7-AAD）などの核酸染色剤があります。さらに、BDCycletest™Plus試薬キットには、タンパク質とRNAを分解してより正確なDNA測定を可能にするためのPIおよびその他の試薬が含まれています。その後、倍数性の評価や、異常DNAを有する系統の同定、DNAインデックス(DI)や種属系統の細胞周期の分布評価のため、フローサイトメトリーを使ってサンプルを分析します。細胞周期の段階では、DNAレベルが変化し、7-AADなどのDNA色素を使用して、特徴的な細胞DNA含有量プロファイルを生成しやすくなります（下図を参照）。

細胞が細胞周期の段階を経るにつれて、ヒストンH3 Ser28などのタンパク質は、修飾を受けたり、発現量が変化したりします。DNAの複製を促進させるため、ヒストンは修飾され、複製機構が入れるようにクロマチンを開きます。細胞周期研究をサポートするため、BD バイオサイエンスは、イメージングやフローサイトメトリーに適したこれらのタンパクに対する抗体を揃えています。

Data chart showing PE-A counts in test results.

Data comparing BrdU FITC and APC results.

測定	試薬	メカニズム	手法	サンプルの種類
DNA	非膜透過性色素: Propidium Iodide (PI), 7-aminoactinomycin D (7-AAD), DAPI, DRAQ7™, BD Via-Probe™ Green Nucleic Acid Stain, BD Via-Probe™ Red Nucleic Acid Stain 細胞透過性色素: Hoechst 33342, Hoechst 34580, DRAQ5™	DNA2本鎖との相互作用	フローサイトメトリー	非膜透過性色素：固定、透過処理、無傷の細胞での生/死の識別用細胞透過性色素：無傷の細胞（固定されておらず、透過性がない）
新輝合成DNA	BrdU、BrdUキットおよびBrdUに対する抗体 EdU検出キット	ブロモデオキシウリジン（BrdU）またはエチニルデオキシウリジン（EdU）は、DNAの分割においてチミジン（T）と置き換わります。その後、BrdUまたはEdU検出試薬に対する抗体によって検出されます。	フローサイトメトリー（BrdUおよびEdU）、細胞イメージング（BrdUおよびEdU）、免疫組織化学（BrdUのみ）	固定および透過処理された細胞、処理された組織（細胞イメージング、免疫組織化学のみ）
タンパク質	Ki67、PCNAに対する抗体	増殖の結果レベル上昇します。	フローサイトメトリー、バイオイメージング、免疫組織化学、ウエスタンブロット	固定された細胞、組織および抽出物
タンパク質	サイクリン、網膜芽細胞腫（Rb）、その他の細胞周期マーカーに対する抗体	細胞周期の段階によって増減します。	フローサイトメトリー、バイオイメージング、免疫組織化学、ウエスタンブロット	固定された細胞、組織および抽出物
タンパク修飾	リン酸化ヒストンH3、サイクリン依存性キナーゼ（cdk）に対する抗体	タンパク質は、増殖または細胞周期の変化に応じてリン酸化されます。	フローサイトメトリー、バイオイメージング、免疫組織化学、ウエスタンブロット	固定された細胞、組織および抽出物
サイトカイン	BD^® CBA （定量的検出用）	細胞が増殖し始めると、サイトカイン産生が増加する可能性があります/td>	フローサイトメトリー	組織培養上清、EDTA血漿および血清サンプル